COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

「ほんとうに宝石みたい…」

よくチョコレートを宝石のようだと例える人がいるけれど、

それを耳にするたび、少し誇張しすぎなのでは、と思っていた。

いざ目の当たりにすると、

私も意外と単純なもので
月並みだと感じていた言葉が口をついた。


悩みながらも4粒、チョコレートをオーダーする。


イートインスペースでそれを待っている間、他愛ない話をした。

実はこのお店から家が近所で、以前から入ってみたいと思っていたけれど

なかなか男一人では入れなかったこと。

もし彼女ができたら、一緒にスイーツ屋めぐりをしたいと思っていること。


王子も意外と普通の男の子なんだ、そう思うと以前より親近感が沸いた。


そうしているとテーブルのそばに人が立つ気配に、二人とも視線を上げる。
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