素直になれない夏の終わり

「美織もこう言ってるしさ、付き合おうよ。ね?なっちゃん」

「絶対に嫌だって言ってるでしょ!」

「ええー、もう。いい加減折れなよ」

「そっちがいい加減に諦めろ!!」


再び始まった言い合いから視線を外して、美織はやって来た店員に「こっちです」と手をあげてみせる。

お待たせしました、モスコミュールです。と店員がグラスを置きに来ても、二人の言い合いは止まらない。

心配そうにチラリとそちらに視線を向けた店員に、美織は「いつものことなのでご心配なく」と笑顔を向けた。

店員が去って、届いたモスコミュールを一口飲んだところで、それでもまだ終わらない言い合いに「そういえば」と美織は口を挟む。

二人の視線は、すぐに美織の方を向いた。


「あたし達の担任、覚えてる?最近結婚したんだって」


えっ、そうなの!?とわかりやすく驚いたのは夏歩で、「へー、そうなんだ」と割と反応が薄いのが津田。


「しかも相手は」
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