【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~
用もないのに出張先から電話してきて、可愛らしい嫉妬の言葉を口にするなんて……なんだか本物の新婚夫婦みたい。
今はまだ〝ごっこ〟の域を超えないかもしれないけれど、こうやって少しずつ心の距離を近づけて、いつか……尊さんと本気で愛し合えたらいいな。
彼の出張中にもう一度くらい、今度は私の方から電話をしてみよう。たとえ用がなくても、日常のなにげないことを報告しあうだけで、きっと楽しい時間が過ごせる。
自分のそんな思いつきにふふっと微笑み、私は上機嫌で自分のために料理を作り始めた。
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翌日は一時間残業したけれど、相変わらず尊さんがいない部屋では時間を持て余しそうなので、さっそくジムのプールに行ってみることにした。
広々とした二十五メートルプールが六つのコースに分けられ、そのうち半分はジムが開講しているスイミングスクールが使用していて、残りの三コースが自由遊泳に使えるようだ。
一番端のコースには水泳選手のようなスピードとしなやかさで泳ぐレベルの高い方々もいて、いくら泳げてもあそこに入る勇気はないな……などと思いながら、ゆるやかに泳げそうなコースを選ぶ。