【極上旦那様シリーズ】きみのすべてを奪うから~クールなCEOと夫婦遊戯~

「はい……。あの、あなたのお名前は……?」

「俺は(たける)だ。苗字は……いらないよな? この夜を存分に楽しむのに、邪魔になるだけだ」

「尊さん……」

確かめるように呟くと、尊さんは満足げに目を細めて私の顎をくい、と掴む。

瞳を覗かれて、徐々にふたりの距離が縮まって。あっと思った時にはもう、唇を奪われていた。

うそ……出会ってすぐ、こんなこと……。

私は呼吸も忘れ、頬を真っ赤に染めて硬直する。

もともと、凛子が私の一夜限りの相手として、黒田さんの知り合いの男性を紹介してくれることは決まっていた。

決して本気にはならず、けれど世間知らずの箱入り娘である私にそれなりの甘い夢を見せてくれそうな人を、というのがこちらからのリクエストだった。

だから当然キスの覚悟くらいはしてきたつもりだったのに、こんなに早くその機会が訪れるとは完全に油断していた。

想像していたよりもずっと甘い感触に、脳が熱く蕩けて思考能力を失っていく。

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