その少女は夢を見る
近藤「まあそこで問題になって来るのは…誰の小姓になるかだが…。」
その言葉に、周りの人達が少し動揺するのを感じる。
こんな何処の馬の骨かも分からないような奴受け入れるのは近藤様だけだと思います。
え?自覚は痛いほどありますよ?
『土方様の小姓だったら毎日弄り放題かぁ…』
土方「近藤さん、俺だけは勘弁してくれ。」
ええっそんなに拒否する必要性って何ですかっ
神羅〈弄るからに決まってんじゃんw〉
自称神は少し黙っててください。
『えー、自分から名乗り出てくれる人とか絶対居ない気しかしないですー。』
沖田「僕はいいよ?」
近藤「おおっ、本当か総司。」
沖田「もちろん。」
そう言った彼を見ると、どことなく嬉しそうに…そして不気味に舌なめずりをしていて。
『待って、待ってください近藤様、僕の本能があの人の小姓になったら死ぬって告げてます、嫌な予感しかしないんです。』
ここに来て初めて全力で拒否している気がする。
でもそうしないといけないと思うくらい、身の危険を感じている。
いや、ほんと、とても。
沖田「失礼だなー、でも他の人とか居ないみたいだし?」
そう言って沖田様が少しだけ視線を送っているのは他の方々。
まあ確かにそうなんですけどね、確かに他の人は嫌そうなんですけどね!!
もう良いやこの際沖田様でも良いや!!(ヤケクソ)
『…もう…誰でも…良いです…。』
一言で言おう。
僕は今、この瞬間、まだ来たばかりのこの世界で…死を覚悟した。
いや、うん、ほんとに死んでも仕方ないと思ってるよ、僕。
沖田「じゃあ、桜宮くんは僕の小姓で」
「待て総司。」
…救いの声か、もしくは逆か。
そう思いながらも声のした方を見ると…
斎藤「…俺の小姓でも良い。」
…斎藤さんが、一言そう言った。