その少女は夢を見る
『…抜いてみても?』
神羅〈?うん、千雨のだからね、それ。〉
そう言われ、刀に手を掛ける。
…本能が何故かやめろと告げてくる。
でも僕は…それを無視して、刀を抜いた。
『─────…っ!?!?』
その途端に襲ってくる、頭痛。
“やめてくれっ!!”
“何だこの化物!!!”
“近付くな!!”
『くっ…ううっ…』
神羅〈千雨!?〉
頭に流れ込んでくるのは、人が何かに怯えている所。
“うわあああっ”
“命だけはっ…!!”
“人斬りの化物めっ…!!”
次に見えてきたのは、人を斬る男性。
男性は正気を失ったように、人を斬っていく。
命乞いをする人を無視し、ただ、ただ、斬っていく。
『やめてっ…やめてよっ…!!』
「おい!!どうした!!」
そんな声とともに入って来るのは、原田様で。
『来ない、でっ…』
今近付いてきたら…誰でも斬ってしまうような気がして。
それでそう言うものの、原田様は無視して近付き…その場にしゃがみ込む僕の背中を擦る。
原田「深呼吸だ。息を吸って…吐いて…」
『うっ…あぁあっ…』
原田「どうしたんだよ…!」
原田様の手に少し安心して…やっと、天逆毎丸を離すことが出来た。
それを見計らうように、神羅さんが刀を収める。
『ふっ…はあ…はあっ…』
原田「…平気か…?」
『…すみません…』
息を整え、座る。
…正直言うと、平気にはまだ程遠い。
さっき見えた…まるで頭の中に直接映像が出るような…あれが頭にこびり付いて離れない。
何かを化物と呼ぶ人達…正気を失った人に斬られていく人達…
『うっ…』
原田「落ち着け。少し休め。」
…原田様のその言葉に頷く。
何だったんだろう、今の…。