一途な執事と甘いティータイム
「私も名前知りたいな」
「あ、ごめん。自己紹介まだだったね…私の名前は桜宮 菓乃っていうの。よろしくね!」
こうして仲良く話せていることが嬉しい。
その後は好きな物の話をして共有して、特にメイクの話で盛り上がった。
家は嫌いだけれど、化粧品は好き。
もちろん桜宮グループで出しているものは最高だと思ってはいる。
「特にね、Sakuraってブランドが好きで……あの桜マークが特徴的で可愛いの!菓乃、知ってる?」
"Sakura"
それが私の家で出しているブランド。
その名前が出てきて、ドキッとした。
口紅、ファンデーション、チーク……全ての者に桜マークが施されている。
「うん、知ってるよ!あれすごく可愛いよね」
その気持ちは本心ではあるけれど、自分で自分のブランドを褒めるというのは、なんだかムズ痒かった。
「実はね、今日塗ってるグロスもSakuraのグロスなの!この春の新作ですぐ買っちゃったよ」
「うんうん、私も持ってる!ほのかなピンク色がいいよね」
「菓乃わかってる!」