一途な執事と甘いティータイム


これは必ず出席しないとどうなるかわからないやつだ。



今は特に、何とかワガママを聞いてもらい、普通の公立高校へと通わせてもらっている。



もしこれを断れば、この自由すらも無くなる危険性がある。



いきなり退学させられて、お嬢様学校へ戻されるのは御免だ。



そうは思えど、やっぱりパーティーに参加するのは憂鬱で、抜け出したい。



……そうだ、抜け出せばいいんだ。



パーティーにはお父さんと一緒に行く。



最初は受付をして、お偉いさんにご挨拶。



それも嫌で嫌で仕方がないけれど、その後は自由時間となり食事を摂ったり、話に花を咲かせる時間になるんだ。



ただ、自由時間とはいえ、そこからが地獄の時間。



挨拶は終えたというのに、終始ニコニコニコニコ……。



貼り付けた笑顔でおじさんおばさんの相手をしなければいけない。



ただし、誰がどこにいるのかわからないあの空間であれば、1人居なくなろうとバレないはず。



その隙を狙って抜け出そう。



この計画ならきっとバッチリだ。


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