一途な執事と甘いティータイム
「桜宮様、到着致しました」
「おぉ、ありがとう」
お父さんに続いて運転手にペコリと会釈をして車を降りる。
外に出れば、さらに感じる豪邸の大きさ。
まるで私たちが不思議の国のアリスになった気分。
「行くぞ、菓乃」
「……はーい」
あまり乗り気じゃないけど、いや、とっても嫌だけど。
お父さんの後について、大きな門をくぐり抜け中へと入る。
「桜宮様ですね、お待ちしておりました。さぁこちらへ」
提携グループと言うだけあって、大河グループの使用人にも顔パスで通じてしまう。
ついにアイツにも会わなければいけないのか。
パーティーに出席したくない理由の一つでもある私が一番会いたくない相手。
───ギィーッ
案内してくれた使用人が開けた扉の奥に奴はいた。