一途な執事と甘いティータイム



それからしばらくしてお父さんが部屋へ私を呼びに来た。



「菓乃、そろそろ行くぞ」



シワのない高級そうなスーツを着て、ネクタイもしっかり締められている。



オマケに左手首には、数百万円はしそうな高級時計。



うちのお父さんは、普段あまり金目のものは身につけていなけれど、こういう時は見えを張っているのかそんな格好をする。



そんな気遣いもしないといけないなんて、人間関係は複雑で疲れてしまう。



今日何度目かわからない大きなため息をついて、渋々専属運転手付きのリムジンに乗り、今回のパーティー会場である大河グループの豪邸へと向かった。



窓の外は、高級住宅街。



どこも土地が広く、立派な門に囲まれ、大きな建物がある。



その中でもひときわ存在感を漂わせる豪邸が大河グループのもの。



どっかの国の城かと思ってしまうくらいの豪華さで、何度来てもびっくりする。



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