一途な執事と甘いティータイム



チラッと横を見てみると、なんとも不機嫌そうな有嶋の顔。



これは相当ご立腹。



まだ付き合いができてからの時間は短いけれど、こんなに怒っている有嶋は初めて見た。



なんだか気まずくなって、ぼーっと走る外の景色を見ていた。



着いたのは私の家。



「ありがとうございました」



あぁ、帰ってきちゃったなぁ。



もっと計画がバッチリ練られていたら、今ここにはいなかったはずなのに。



「早く降りろよ」



「……」



ちょっと、あまりにも不機嫌すぎない?



そろそろ機嫌直してくれたっていいじゃん。



「ちょっと待って」



「ねぇ、離してよ」



私が歩きだそうとすると、ギュッと腕を掴まれた。



「離したら逃げるだろ」



うぅ……バレてる。



執事と言いながら普通の男子高校生なくせに。



先輩に当たるとはいえ、2つしか変わらないのに。



なんかムカつく。


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