明治禁断身ごもり婚~駆け落ち懐妊秘夜~

「でも、本当に美しかった」
「ありがとう、ございます」


耳元で囁かれ、頬が上気していく。


「本当に俺だけのものになったんだな」
「……はい」


熱を孕んだ視線を向けられ、拍動の速まりを制御できない。


「随分苦労をさせた。でも、もうひとりで頑張らなくていい。俺が一生守る」


男らしい宣言に瞳が潤んでくる。
うなずくので精いっぱいだ。

すべてを投げ出したくなるほどつらい時期もあった。
けれど、愛してやまない彼との間にできた直正を守り通すことができて本当によかった。

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