月夜に笑った悪魔
「まぁ、ほんとに今日はもうこれ以上なんもしねぇよ」
そう言うと彼は立ち上がり。
私から離れると自分が着ていたワイシャツのボタンをはずし、脱いでいく。
露になる裸体。
すぐに目を逸らした。
彼は……これからお風呂に入る気だ。
まだ、私がここにいるのに。
この場から逃げようと立ち上がろうとした、けれど。
どうしても、立ち上がれない。
まだ、足にちゃんと力が入らない。
……なんでだ。
「あ、そうだ」
思い出したように聞こえてくる声。
その声に顔を上げると、目が合って。
「学習しないバカだから忠告しとくけど、なにごともよく考えてから言えよな。自分の言葉には責任もてって、一度くらいは言われたことあんだろ?」
彼は私の目の前までもう一度来るとしゃがみこみ、頭の上にぽんっと手を置いた。