月夜に笑った悪魔
「ありがとう」
私はそれを受け取って、スカートのポケットの中へとしまって。
最後に「行ってくる」とひとこと言ってからロッカーを閉めると。
窓のほうへと行き、大きな木へと手を伸ばした。
私がおりたら、月城岳は来るだろうか。
あの男は、私を殺したいとは思っているはず。
1人になれば狙いやすいだろうし……来てくれるのを信じるしかない。
窓から身を乗り出して、太い木の枝に足を乗せ。
両手でしっかりと木につかまって、もう片方の足も木の上へ。
木登りなんて最後にしたのは小学生の頃。
まさかこの歳でもこんなことをするだなんて予想もしなかった。
どうか落ちませんように……っ!
強く祈って、木の幹につかまり。
ゆっくり下へとおりていく。
木の幹はトゲトゲしていて、体のいろんなところが痛い。
でも、暁のほうがもっと痛い目にあっているかもと考えたら、これくらいはぜんぜん耐えられた。