トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
木が生い茂っている細いコーナーに入った時、陽平の足が止まり次第にスケボーもゆっくり止まった。
「ん?どした?」
暗闇の中目をこらして陽平の顔を見ると、じっと私を見つめ……。
私も自然と陽平を見つめ返す。
暗い場所でも、そのぱっちり二重の瞳は更に綺麗に輝いていて、気が付けばその瞳に吸い込まれていた。
"陽平の目ってやっぱり綺麗"
次の瞬間ーーー。
唇に柔らかい感覚……
そして一瞬で唇が温かくなっていく。
えっ……!!!
一瞬、思考回路が停止して、一体どんな状況なのかを把握するのが大変だったけど、分ることと言えば、私の口は塞がれていた。
陽平の唇に……。
「ちょ!!」
びっくりして唇をすぐに離したと同時に陽平を突き飛ばす。
「え?!!ちょっちょっと待って!」
「俺じゃ……やだ?」
目の前にいる陽平は、見たことないくらい真剣な顔で私をみて反応を伺っているようだった。
そんな真っすぐな視線を見つめることは出来なくて視線を外した。
「いや、陽平がやだとか、そーゆーんじゃないけどさぁ……いきなりキスはさぁ...」
「心の準備が……ハハハッ」
なんて笑って見せたけれど、目の前にいる陽平は全然笑ってなんかなくて、むしろ突き刺さるくらい真っすぐな目で私を見つめている。
「じゃあ、もう1回しよ……」
またキスをしようと陽平は顔を近づけてきて、私のおでこに陽平のおでこがくっついた。
「……だめ!」
「いいじゃん!お願い」
私の顔を覗き込むと、そのまま再び私の唇が陽平によって温かさを増す。
「ん……っ。陽平ってば!!!」
自分から離れ、スケボーから降りようとした時、手を引き寄せられて私は陽平の胸の中に埋まる
力強く両手で抱きしめられていた。
力が抜けて頭が沸騰して湯気が出てるような感覚
私はスケボーの上に立ったまま、力強く抱きしめられていた。
「ようへ……い……苦しいよぉ……」
「あ、ごめっ……」
ようやく我に返り、陽平から勢いよく離れると私の心臓はもはや壊れる寸前だった。