トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
その瞬間、静まり返っている自宅を見渡すと何だか変な胸騒ぎがする。
家族誰一人いない我が家はこんなにも寂しいものなのかとも思う。
広いリビングは余計に寂しさを襲い、リビングの電気を消すと自分の部屋へと一目散に戻っていった。
んっーーーーー!!
いや、なにかがおかしい気がする
私は部屋着に早速さと着替えて布団へ潜り込んだ。
遠い場所へ行きあんなに泣いて疲れているはずなのに寝れない。
そして気のせいなのだろうか、なぜかいつもより鼓動が速くなっていく気がしている。
祖母の顔を思い出そうとするとアイツの顔が浮かびあがる
"だめだ……"
"忘れよう……"
こみ上げてくる気持ちをいつもみたいに閉じ込めよう
大きく深呼吸をしたが、ちっとも息を吸い込めない。
だんだん喉が締め付けられてきて苦しくなっていく
ドンドンドンと心臓が早く鼓動を打ち始める……
苦しくて、窒息するのではないかと焦れば焦るほど
呼吸がうまくできない
助けてーーーー
だれかーーーー
まただーーーー
さっきと同じ症状で苦しくて、目からはどんどん涙が溢れだしてくる。
過呼吸だ
そう思うまで時間はかからなかった。
窓の近くまで這って、ゆっくりと呼吸をする
ゆっくり呼吸を整える……
もう、何もかもが限界だった……。
気が付けば部屋着のまま携帯を片手に家を飛び出し、最寄りの駅の改札をくぐり抜けた。
どこに向かえばいいか行き先も考えずに……
ホームの椅子へ座りこみ、呼吸を整えると携帯を開き、電話帳で*流奈*を検索すると迷わず通話ボタンを押した。