トルコキキョウ 〜奈月と流奈を繋ぐ花〜
とても寒い季節だった…...
予定日より1週間も早く生まれた康平との間に誕生した愛おしい我が子。
なんとこの日は流奈のお母さんの誕生日であったというのを出産後、流奈へ連絡した際に知らされた。
出産予定日よりも早く会えた喜びと共に、
なぜこの日だったんだろうと思うと生命の誕生は謎めいていて神秘的に感じる。
流奈と私のつながりは、やっぱり神さまが与えた出会いだったのかな?となんとも言えない気持ちになった。
2831gで元気に産声をあげてこの世に誕生した女の子。
名前は華『はな』と決まった。
花びらが綺麗に咲き乱れている様子を描いた漢字が「華」。
その漢字の由来が一番の決め手だった。
身も心も美しくなって欲しい……と、強い願いが込められている。
流れ星のようなキラキラした涙
澄んだ瞳には色彩豊かな綺麗な景色、愛で満ち溢れた表情を見せてあげたい
コロンとかわいい小さな耳には
綺麗な自然の音やステキな言葉、胸が高鳴るような音楽を聞かせたい
そして食いしん坊のあなたが微笑むように
お腹をいっぱいにさせてあげたい
私は命ある限り、守る人が今目の前にいる。
流奈が言っていた「自分の命より大切な人」の意味を、やっと身をもって理解することが出来た。
そしてその言葉の重みさえも……。
長く旅をして、やっと"生きがい"を見つけた
それは……
無償の愛だったーーーー。