愛は惜しみなく与う②
頭が痛くなり始めた時に、家に着く

そして家の様子を見ておかしいことに気づいた


あぁ…以前と変わってしまっている



親父側の人間は、俺を見て、久しぶりです!そう声をかけてくる。
でも見たこともない組員は、ただ俺をじーっと見るだけだった。


こんなにも組内で溝ができているのか


「若、組長は離れにいます」

「あぁ」


久しぶりに会うことに緊張してきたのに、さらに緊張してきた。なにを聞かされるのか、想像もつかない

庭も荒れていて、手入れが行き届いてないことが分かる


親父はいったい…なにを隠してた?


「白瀬?お前はその真実ってやつをいつから知ってた?」


「……私が知ったのは一年前です」


そうか… 一年前ね
俺はずっと知らなかったんだな

離れにくるのは久しぶり。家自体久しぶりなんだけど、離れはあまり近寄るなと昔から言われていた


二階に上がって部屋の前に立つ



「2人で…お会いになられますか?」

「……」


2人で会って…どうする?なにを話す?俺は落ち着いて話を聞けるのだろうか
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