愛は惜しみなく与う②

泉はドライアイが理由で、あまりバイクには乗らない

ヤンキーらしからぬ理由や


「お迎えご苦労!」

ちょっと調子乗って言ってみたけど、そんなあたしをスルーして、脇に手を突っ込んでバイクの後ろに乗せる


「じ、自分で乗れるわ!恥ずかしい」


そんなことされると思っておらず、突然の事でてんぱる。いっぱい人おるのに


「少しくらい恥ずかしがって静かな方がいいよ」


そう笑って、長い足でヒョイとバイクに跨り、泉はバイクを出した


「なーー暑い」

「文句言うな」


いつも膝掛けをかけられる。でももう夏が近い。膝掛けなんかしてたら暑いわ

ってか、不良グループの総長さんのバイクに、膝掛け積んであるって考えたら面白くない?

泉の背中に顔を当てて笑った


おもしろ


「なんだ?」

「別に?怒ってる?」

「……いや、いいよ。すぐ俺に電話してきたろ?」

「うん。すぐした」


即答すると、ならいい。そう言って泉は前を向いた

泉の後ろはなんだかとても、心地がいい


寝てしまいそうになるわ


< 217 / 419 >

この作品をシェア

pagetop