愛は惜しみなく与う②
脱走
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まさかだった


金城さんがこんなに早く現れるなんて


しかも最悪のタイミング


椅子で殴ってきたものの、なんだか放って置けない。そう言い話を聞いてくれた女

俺は烈火に金城さんを止めて欲しいと言った


そんな義理もないし、決めるのは泉だけど、杏と名乗った烈火の女は、ちゃんと伝えると約束してくれた


金城さんはこうやって女を拉致したりするのを嫌っていた

そのはずなのに…薬に手を出しておかしくなってしまった

友達なのに、幼馴染なのに止められなかった


ずっと兄のように慕ってた人なのに…


部屋に入ってきた金城さんは、躊躇うことなく女を突き飛ばし、両腕を後ろで拘束した


女の腕は、後ろに無理矢理引っ張られて、見てるこっちも肩が痛くなった


でも1つも悲鳴もあげない

歯を食いしばり唇を噛み耐える姿をみて、これはしてはいけない事だと思った


こんなこと金城さんにさせたくない


少し力が緩んだのか、女は後ろ足で金城さんを蹴り飛ばし前にコロリと転がった



さすがの金城さんも驚いた様子
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