愛は惜しみなく与う②
設備が整いすぎていて、このまま一生入院していたいと笑っていた
こんな風に親父と電話するなんて、夢にも思っていなかったな
あとはひたすら、こいつらが楽しそうに話すのを聞いている
もう夏か
黒蛇も動かないし、最近喧嘩という喧嘩はしていないな
身体が鈍りそうだから、少し動いておきたいな
ぼーっと考えていると、もう帰る時間なのか、お会計
基本こうやって集まっても、俺はあまり話さない。聞いて、そして見ている。
それだけで時間は潰せるし、ぼーっとみていると、少しの違いにでも気づける
何かおかしいことがあった時
そう…
「響?どうかしたか?」
すぐ分かってやれるから
ワイワイとした帰り道、響の腕を引いて後ろへ一歩下げる
そして振り返った響の顔は、とても泣きそうな顔をしていた
俺…見逃してたかな
「ごめん。いつからだ?」
「……違うよ、泉は悪くないよ」
「いいから。いつからだ?」
黙って下を向く響
杏にバレたくないのかな。わかんねぇけど
「コンビニ行くから先帰っとけ」