素直に。
カーンカーンカーンカーン。



「真菜!早くしないとイチゴパン売り切れちゃう!」


4限の終わりのチャイムがなって教室を飛び出し走り出す原田菜月(ハラダナツキ)、高校2年生。


「菜月もう先に行ってください」


そんな菜月に呆れている井川真菜(イカワマナ)、同じく高校2年生。



2人の出会いは高校入学の頃、お互い全然友達もできず学校にも馴染めずにいたが、なにかがきっかけでお互い高校初めての友達になった。



(うわ〜、購買もう人たくさん....)


チャイムが鳴るとともにマッハで走り出すが意外とでしゃばれないキャラだ。


自分なりに並んでやっとのことでイチゴパンへ辿り着く。

「イチゴパン1つください」

「はい毎度」








ガラガラっ




「菜月、お弁当あるのにパンも食べるなんて胃袋おばけだね」


「なんかお腹が慣れてきちゃって、へへ。」


「 にしても、最近太ったんじゃない?顔」



(ガーーーン)


真菜は結構ズバズバいうタイプ。
サバサバしてるのよね。
簡単に言うと私と性格が正反対!





「もう5月だけどさ、クラス慣れた?」


「私は去年、ナツの他に仲良かったえみちゃんとかいるから今のところそんなかな」

「ナツ、大丈夫なの?」



「もう毎日神経しんどいよ〜」





そう、私と真菜は今年、クラスが離れてしまった。
隣だからすぐ会えるけど、
私達は周りの皆が納得する程ニコイチて感じだし
なんか私は寂しく感じる。




「そうだよねー、私、C組だったらやってけないわ」




私のクラスはなんといっても可愛い子とか美女って言える女子が多くて、しかも全体的に性格も強め。。
だからウマが合う子がなかなかね。。

まぁ一緒にいれる子はいるけど。。






「しかもきいてよー。隣さ、木川くん。」


「うそー、なに考えてんかわかんない人じゃん。喋るの?」


「ううん、必要最低限だけだけどさ」





キーンコーンカーンこーん.....







「あ、そろそろ行かないと、
私次、体育だから着替えもしないとだから!
また放課後部活で!」





私は重い足でC組の教室に戻る。
C組の次の授業は数学。



......なんか左から視線が....。



そう、彼、木川くん。




木川くんてあれなんだよなー、
喋ってこないくせにじーと見てきたり
人のことあーだこーだ容赦なく言うし
なに考えてるかわかんないし、
苦手なんだよなー。
去年から同じクラスで。。




まだ見てくる。
私はわざと視界から遮る。




「原田さん」




ぅわ、なんだ。
私は視界に木川くんを入れる。


そう、ごく稀に話しかけてくる。




「教科書忘れたからそのー、見せてくれます?」



「はぁ....」




私は木川くんの机に寄った。
....てか木川くんの方が寄るべきだよね?
....とか言えないし。。





数学は私は苦手でも得意でもない。
基本、勉強は自分で言うのもなんだけど中の上くらい。
木川くんは数学が苦手。去年から知ってる。




木川くんは思ったことを素直に口にする。
例えば先生が説明してて分からなければ
タイミング無視して話を遮って質問する。
もっとタイミング見て質問すればいいのにとか
思ったりでも偉いなて思ったり。。





そんなこと考えてると



「原田さんて意外と話聞いてないんだね」



そう言いながら、先生が指示したように
私の教科書をめくった。


「あ、あぁ、ありがとう」


なんかさ、一言余計っていうかさ!
まぁこんな人、木川くんは。





「ここてどう解けばいいの?」


「え....」



先生ではなく私に聞いてきた。
なんか、緊張した。
好きだからとかじゃなくて、
普段男子とそんなに話さないしましてや
なに考えてるか分からない苦手な木川くん。



「え、えーっと.....」



私はなるべく簡潔に教えた。



「ふーん....、.........わかんないや。ちょっとわかりにくい」




....ごめんなさいね(怒)。






まぁこんなかんなで数学の授業も終わり。
いつもよりさらに長く感じた。




今日はこれが終わったら帰りのHR。




それまでの時間。





私は木川くんから机を離れると




「原田さん、大変だね」




「な、なにが?」



「このクラスの女子、強めじゃん。合わないでしょ」




私は固まった。え。なぜそんなこと言う。



「俺もなんかね。....慣れないよね」



まぁ確かに木川くんも去年いつもつるんでいる子いたし
それと比べると1人でいる時の方が多いかも...。




「山崎さんとかさー、最初は菜月ちゃん一緒にいようね!とか言ってたくせにもう気遣ってないよね。そんな可愛くないのにクラスの中心的マドンナのグループでうまくやっちゃってさ」




なんか....。なんかなんかなんか!
木川くんてこわいなー...!
客観視レベルが尋常じゃない!



「ま、慣れますように、みたいな」





もしかして木川くん、私をじーっと見てたのも
あぁこいつ馴染めてなくて可愛そう
て思いながら見てたんだよねきっと。


あー!恥ずかしい!!!
いつ席替えするのよ〜!!!




そして面倒臭いことが
帰りのHRが終わって起きた。
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