イケメン富豪と華麗なる恋人契約【番外編】
彼の言葉が嬉しくて、日向子の笑顔で返した。
「わたしも、ウエディングドレスは着てみたい、かな?」
「ウエディングドレスもいろんな種類があるでしょう? 日向子なら、お姫様っぽいプリンセスラインのドレスが似合いそうだ。ああ、でも、ヴァージンロードに広がるロングトレーンに憧れるなら、Aラインのほうがいいだろうね。マーメイドラインも捨てきれないし……」
「ち……ひろさん?」
「お色直し用のカラードレスも着てみたらどうかな? できるなら白無垢姿も見てみたい。もちろん、色打掛や引き振袖も似合いそうだし、いっそ、十二単とか……」
千尋はいつになく饒舌に語り始める。
日向子はしばらく呆気に取られていたが……ふいに、千尋が思いがけないことを口にした。
「あれこれ言いましたが、ドレスはレンタルではなく買取りということで」
「え? でも、ウエディングドレスなんて……記念に、ですか?」
「それもあります。でも一番は――ウエディングドレス姿のあなたと愛し合いたい」
最後の部分だけ、彼は日向子の耳元に唇を寄せ、蕩けるような声でささやいた。
「家族をもっともっと増やしましょう。それが今、私が最も“やりたいこと”です」
「そ、それって、ここでは無理っていうか……あ、また、わたしの早とちりとか、考えすぎとか……ですか?」
「いいえ。日向子の想像どおりですよ」
爽やかな笑顔で言うが、昼間のデパートでする話だろうか?
「さあ、早く試着しましょう。気に入ったのが見つかったら、ウエディングドレス姿のあなたをお持ち帰りしてもいいですか?」
心の中で『ダメです!』と叫びつつ、
「ウエディングドレスは……結婚式が終わってから、です」
「わかりました。では、今夜はいつもどおり、ということで」
千尋の返事に、耳まで真っ赤にしてうなずく日向子だった。
~fin~
「わたしも、ウエディングドレスは着てみたい、かな?」
「ウエディングドレスもいろんな種類があるでしょう? 日向子なら、お姫様っぽいプリンセスラインのドレスが似合いそうだ。ああ、でも、ヴァージンロードに広がるロングトレーンに憧れるなら、Aラインのほうがいいだろうね。マーメイドラインも捨てきれないし……」
「ち……ひろさん?」
「お色直し用のカラードレスも着てみたらどうかな? できるなら白無垢姿も見てみたい。もちろん、色打掛や引き振袖も似合いそうだし、いっそ、十二単とか……」
千尋はいつになく饒舌に語り始める。
日向子はしばらく呆気に取られていたが……ふいに、千尋が思いがけないことを口にした。
「あれこれ言いましたが、ドレスはレンタルではなく買取りということで」
「え? でも、ウエディングドレスなんて……記念に、ですか?」
「それもあります。でも一番は――ウエディングドレス姿のあなたと愛し合いたい」
最後の部分だけ、彼は日向子の耳元に唇を寄せ、蕩けるような声でささやいた。
「家族をもっともっと増やしましょう。それが今、私が最も“やりたいこと”です」
「そ、それって、ここでは無理っていうか……あ、また、わたしの早とちりとか、考えすぎとか……ですか?」
「いいえ。日向子の想像どおりですよ」
爽やかな笑顔で言うが、昼間のデパートでする話だろうか?
「さあ、早く試着しましょう。気に入ったのが見つかったら、ウエディングドレス姿のあなたをお持ち帰りしてもいいですか?」
心の中で『ダメです!』と叫びつつ、
「ウエディングドレスは……結婚式が終わってから、です」
「わかりました。では、今夜はいつもどおり、ということで」
千尋の返事に、耳まで真っ赤にしてうなずく日向子だった。
~fin~

