エリート御曹司と愛され束縛同居
そんな俺を、きっと道中が怖いのだと斜め上の発想で、弟のように彼女は心配してくれた。

小さな手で守ろうとさえしてくれる姿に若干苦笑しそうになったが、凪さんにも『好きにさせてやってくれ』と言われて俺は澪の厚意に甘え続けていた。


澪はそうやって当たり前のようにずっと傍にいてくれた。

俺がひねくれずに成長したのは澪の存在があったからだと大袈裟ではなく、思っている。


だから誓った。

大きくなったら俺の全力で澪を守ろうと。

今は身体も小さく知識もないけど、きっとそのうち俺は彼女の身長を追い越すだろう。

腕力もきっと澪より強くなるだろうから。


心優しい幼馴染みがこれから先の毎日を笑って過ごせるように。

真っ直ぐな想いを向けて、幼い俺を守り続けてくれた君にささやかな恩返しができるように。
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