エリート御曹司と愛され束縛同居
人当たりもよく容姿も整っている幼馴染みは恋と疎遠の私とは対照的にとにかくモテる。

そのせいで小さい頃から傍にいる私は何度もとばっちりを受けている。

幼稚園から高校まで一緒に進学し、さらには一緒に通学していた私を、恋人だと勘違いして逆恨みする女の子は大勢いた。

進学した学校が同じだったのは偶然だし、通学時間や通学路が一緒になってしまうのは私のせいではない。

圭太の恋人はころころ変わる。

基本的に熱しやすく冷めやすい幼馴染みは相手に興味がなくなればすぐに別れる。

高校生の頃からその繰り返しで、本気で恋をしたなんて話はいまだ聞いた記憶がない。


そういう私も恋愛事からは随分と縁遠い。

ここ数年、恋人と呼べるような特別な存在はいない。

最後に付き合ったのは三年ほど前だ。

当時の恋人は趣味や友人付き合いをなによりも優先し、ふたりで会う時間を捻出するのも一苦労だった。

直前の予定キャンセルは当たり前で日増しに小さな諍いが増え、深まっていく溝を埋めれずに別れた。
< 41 / 199 >

この作品をシェア

pagetop