【放浪恋愛】まりなの日記

【住むところを変えようかな…】

8月6日・晴れ

この日、平和記念公園では広島の原爆で亡くなられた市民の慰霊の式典が挙行されていたので、広場には大勢の市民や政府関係者の人たちなどがたくさん集まっていました。

朝8時15分に、平和の鐘の音が街に鳴り響いたのと同時に、式典の出席者全員が1分間のもくとうをしていた…

アタシも、鐘の音が鳴っている時に帰りの路面電車の中で、静かに両手を合わせて原爆投下で亡くなられた市民のみなさまをおもいながら静かに祈っていた…

さて、話は変わりまして…

アタシは、光市の海水浴場で女子大生が集団でレイプの被害を受けて亡くなった事件を機に、住むところとバイトを変えることを考えていた…

あいつは、あの事件から三日後に宇部新川の警察署に保護された後、父親からバツとして光市内のガス会社の社長さんの家のひとり娘さんと結婚して、婿養子になっていた…

長兄さんも、近いうちに婿養子先の家が決まることを機に由宇の家を出るし、次兄さん夫婦は兄嫁さん方の実家へ移るなどで、あいつの家族は離ればなれになろうとしていました。

そのように思えば、アタシも住むところとバイトを変えた方がいいと思っていた…

アタシはこの時、8月いっぱいで広島で暮らすことをやめて、福井へ行くことを決めていた…

広島市内のデリヘル店に在籍をしているコが9月に結婚をすることが決まったけん、退店することになった…

退店後は、あわら市の温泉街にある旅館のおかみになると言う話を聞いたけん、アタシも福井に行こうかと思ってはった…

新しい行き先は、7月30日に決まっていた…

9月1日からは、福井市順化1丁目にあるコンパニオン派遣事務所のコンパニオンとして働くことが決まっていた…

コンパニオン派遣事務所の中にデリヘル店があるので、アタシはくら替えをすることを決めた…

アタシは、休みごとに新幹線と特急サンダーバードを乗り継いで福井市へ行ってた…

アパートを探したり、芦原(あわら)温泉街を下見に行くなどして、新生活の始める準備を加速していました。

今度こそ…

アタシは幸せになるわ…

きちんとした男と再婚をして…

今度こそは幸せな人生をおくりたいわ…
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