【放浪恋愛】まりなの日記

【神戸】

7月20日・晴れ

アタシは、知人からの紹介で神戸ハーバーランドの中にあるスポーツ新聞社の原稿係でバイトをすることにしました。

6ヶ月契約で、月給は18万円…

与えられた仕事は、原稿の運搬やお茶くみや社内の水回り清掃などのショムの仕事です。

勤務時間は夕方4時から深夜1時までであります。

それでも十分な金額ではなかったけん、足りひん分は海岸通り3丁目にあるセブンイレブンのバイトでおぎないます。

他にも、空いている時間を利用して甲子園球場のスタンドで売るかち割りを作る仕事や大阪市内のデリヘル店などで働いておカネを稼ぐなどして、貯蓄を作ることにしました。

アタシは、兵庫区楠町(くすのきまち)にあるマンスリーアパートで暮らしていた…

アタシが暮らしているマンスリーアパートは、キンリンに大学があるので、アパートの住人は地方からやって来られた学生さんが中心であった…

アタシが出勤をする時間帯(昼3時頃)に、大学から帰ってきた学生さんたちの姿をよく見かけていた…

学生さんたちは『ねえ、モザイク(ショッピングモール)に新規オープンのナウいブティックへ行かない?』とか『今夜はどこでデートをしようかな?』などと楽しそうにおしゃべりをしていた…

アタシは、学生さんたちの話を聞くたびに顔が曇っていた…

アタシは、松山の女子高を卒業後に北条の付属の大学への進学を断った直後から西日本の各地を放浪していたけん、大学生がどなな暮らしをしてはるのか知らんけん…

西日本の各地を放浪して、ミひとつで働いて、ごはんを食べてゆくことしか知らんねん…

男がらみのもめごとを数えきれないほど繰り返して42年間を生きてきたけど、アタシはこのままでええんやろかと思っていた…
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