【放浪恋愛】まりなの日記

【今さら何を言ってもムダなのよ!!】

7月31日・晴れ

この日は、スポーツ新聞社のバイトが休みであったので、セブンイレブンでバイトをしていました。

理由は、夕方勤務の人が急用で休みができたので、代わりにアタシがバイトに入っていたと言うことでありました。

そんな時に、どういうわけなのか虫ケラの娘(長女さんのこと)がアタシの元へやって来た…

アタシが、店の外のゴミ箱の整理をしていた時に虫ケラの娘がふらりとやって来て、アタシに助けてほしいといよったねん…

せやけど、アタシはあなな虫ケラの家とはリエンしたけん、娘に『今バイト中なのよ!!』と怒鳴り返したった…

そしたら娘は、泣きそうな声で『助けてほしい…』とアタシに求めてきよった…

ほんで、アタシが首をたてにふるまで帰らへんともいよったねん…

アタシは『はぐいたらしい女ね!!』と娘に怒鳴りつけたあと、怒った声でこう言い返したったわ…

「今さら何を言うてもアカンもんはアカンねん!!あんたの虫ケラオヤジがアタシに何を求めてこようとも一切受け付けへんから!!あんたら家族と仲良く暮らすことなんぞでけんなったと言うのに、どうしてアタシに助けを求めてくるのかしら!?あんたもあんたよ!!あんたはいつからストーカーをするようになったのかしら!!アタシの居場所を誰から聞いたのかしら!?あんたはアタシの声が聞こえてへんのかしら!?」
「まりなさん、どうして父と大ゲンカになったのですか?父はまりなさんと大ゲンカをしたことが原因でひどく傷ついて、ふさぎこんでしまったのです…会社も休みがちになってしまって…1日中部屋に閉じこもってしまったのよ。」
「せやけん、アタシにどないせえと言うねん!?アタシはね!!あんたの虫ケラオヤジにグーで顔を思い切りどつき回されたのよ!!アタシの方が心身ともボロボロに傷ついてはると言うのに、アタシのことをボロクソに言うつもりなのかしら!!あんたみたいな世間知らずの小娘にアタシの気持ちは分からへんのよ!!」
「まりなさん。」
「何よ!!アタシにいちゃもんつける気なのかしら!?」
「いちゃもんなんかつけていません!!アタシは、まりなさんに助けてほしいとお願いをしているのです!!」
「やかましいわねストーカー女!!」
「ストーカーなんかじゃありません!!」
「やかましいわね!!浮世の世知辛さを知らないストーカー女!!」
「どうしてそんなひどいことを言うのですか!?」
「そんなん決まってはるでしょ…あんたは、九州のエエトコの女子大卒で、三高のダンナもろて幸せイッパイ…ダンナの年収は800万やけん、専業主婦で床の間にかざってもらえた…アタシはね!!松山の女子高を卒業したあと、西日本の各地を放浪して生きてきたやさぐれ女なのよ!!住むところもバイトも転々として、食べて行くことしか知らへんさかい…その日のごはん代を稼ぐために生きてきた女なのよ!!」
「だからなんだと言いたいのですか!?」
「やかましいわねストーカー女!!あんたは浮世の世知辛さをゼンゼン知らへんけん、非常事態におちいった今ごろになってオタオタオタオタしてはるじゃないのよ!!違うかしら!!」
「まりなさん!!父はまりなさんに会いたいと言っているのよ!!」
「はぐいたらしい小娘ね!!」
「まりなさん!!」
「あのね!!あんたの虫ケラオヤジはアタシに暴力をふるったのだから突き放されて当然なのよ!!なにがアタシに会いたいなのかしらね!!虫ケラがストーカーなら娘のあんたもストーカー…ああああ!!ますますはぐいたらしくなってきたわ!!あんたね!!帰ってくれるかしら!!アタシは今バイト中なのよ!!これ以上居座り続けていると言うのであれば、アタシの知人の知人に頼んで、ヤクザの組長呼ぶけん!!あんたのテイシュが組長の女にてぇつけたこと聞いとるけん、覚悟しときよ!!」

アタシは、虫ケラの娘を怒鳴りつけたあと、ゴミ箱を頭からかぶせて、背中にけりを思いきりいれたったわ…

やっと傷がいえてきた時に、あの虫ケラ野郎がやっぱりアタシと一緒に暮らしたいと言うけん、アタシは思いきりブチ切れていた…

そんなことよりも、虫ケラの娘はどうやってアタシの居場所を知ったのだろうか?

アタシが今どこにいるのかを知っている人は、昔お世話になっていた岸和田の姐はんとかつて働いていたスナックやデリヘル店などの水商売の女のコたちか店のママかマスターだけしか知らへん…

仮にアタシの居場所を虫ケラの娘から聞かれたとしても『企業秘密』と言うても、安易にアタシの居場所を教えると言うことはまずないと思う…

それでは、誰がアタシの居場所を虫ケラの娘に教えたのかしら…
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