【放浪恋愛】まりなの日記

【何のための資格なのよ!!】平成3年

5月14日・曇り

アタシたち3年生全員は、ファイナンシャルプランナーの3級の資格を取得するためのファイナンシャルプランナー講座が時間割りに組まれていました。

毎年度、ファイナンシャルプランナー協会から公認の講師が学校にやって来て、ファイナンシャルプランナー講座を行っていました。

しかし…

アタシは、この講座を受ける気は全くなかったので、やる気はありませんでした。

やれ『ライフプランニング』だの保険契約だの…

アタシには、ゼンゼン分からなかったので、頭がチンプンカンプンになっていました。

開講から数日たったこの日に、アタシはひどいもめ事を起こしてしまった…

上の空になっているアタシに、講師が『コラー!!そこ!!』と怒鳴りつけていた…

講師の言葉にキレてしまったアタシは、テキスト本をバサッと叩きつけて席から立ち上がった…

そして、ドカドカと足音を立てて講師の元へ行って、胸ぐらをつかんで講師をどついたあと、強烈な声で怒鳴りつけた…

「何だと!!もういっぺん言ってみろ!!何のためのファイナンシャルプランナーの資格なのよ!!」

アタシがファイナンシャルプランナーの講師をどつきまわしていたので、そばにいた先生があわてた表情でアタシを止めた…

そしてアタシは、先生から『頭を冷やして反省しろ!!』と怒鳴られて、保健室にぶち込まれてしまった…

保健室にぶち込まれたアタシは、亡き父があの日言っていた言葉を思い出して開き直っていた…

何よ!!

何のためのファイナンシャルプランナーの資格なのよ!!

仕事の資格はね!!

元気な体よ!!

元気な体があれば、どこだって雇ってくれるわよ!!

アタシはこの時、そんなことを思いながら保健室のベッドの中で腹を立てていた…

(まりなは、ファイナンシャルプランナー3級の試験の時、問題用紙にひどい落書きをしましたので不合格になったので、3年生の中でファイナンシャルプランナー3級の資格がもらえなかったのはまりなだけであった。)
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