【放浪恋愛】まりなの日記

【ここには…居場所がない…】

5月10日・晴れ

この時分から、アタシの気持ちがすさみ始めていたので、知らないうちに笠置さんの家族ともめ事を繰り返すようになってしまいました。

その前に、アタシが笠置さん方の家でどのような暮らしていたのかを説明します。

アタシは、朝は6時半に起きたあと洗面や身支度を整えたら、家族みんなが集まっている食卓へ行って、同じちゃぶ台に座って、同じ朝ごはんを食べています。

長男さんは徳島の文理大学に、次女さんは高松の短大に通っている…

ふたりは、アタシが朝ごはんを食べている間に先に家を出発していた…

朝ごはんを終えた後、アタシは長女さんが運転するアイシス(ミニバン)に笠置さんと乗り合わせまして、スワニーの製造工場へ一緒に通勤していました。

(笠置さんの長女さんの婿さんは白鳥町内にある国道のガソリンスタンドに勤務している。まりなと笠置さんが行く工場の付近にガソリンスタンドがあるので一緒に乗りあわせをしていました。)

工場に到着した後、朝の9時から夕方5時まで工場で与えられた仕事をして、夕方5時に仕事が終わったあとはまっすぐ家に帰って、同じちゃぶ台で同じ晩ごはんを一緒に食べて、1台のテレビでみんなが同じ番組をみて過ごす…と言うパターン化された暮らしであった…

休日は、家族みんなでショッピングモールに行ったり、親類の結婚披露宴に出席したりすること…

給料引きの約束で注文をしたお弁当を食べて栄養を補うこと…

笠置さんが楽しみにしているテレビ番組を家族みんなで見ること…

笠置さんは『家族で仲良く暮らすためにしているのだよ…まりなさんをひとりぼっちにさせないために私たち家族があれこれと工夫しているじゃないか…』と言っているけど、アタシとしては『はぐいたらしいわね(あつかましいわよ)!!』と怒りたくなっていました。

そう言ったわだかまりを抱えている中で、笠置さんの家でゲシュク生活をしていたので、アタシは笠置さんの家族とトラブルばかりを繰り返すようになっていました。
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