【放浪恋愛】まりなの日記

【山一ショック】平成9年

11月4日・晴れ

1997年は、アタシにとっては心が落ち着かない1年になろうとしていました。

アタシは、鳴門の工場に来てから1年4ヶ月間チオビタドリンクの製品の瓶を10本ずつ小さなケースに箱詰めにする仕事を繰り返していました。

工場の仕事がなれてきた頃に、アタシの中で気持ちがざわつく事件が発生しました。

白鳥のスワニーの時や志度のタダノの時もそうでありましたが、1枚の雇い入れ通知書に記載されている条件でよければサインと捺印をして1年契約で働くと言う形で今まで働いてきました。

アタシは、待遇面に不満があるからこななことを言ってるわけではありません。

この最近になって、アタシは『この先、今の仕事を続けて行くことができるのかどうか…』と言う不安にかられていました。

そんな中で、三洋証券の経営破綻のニュースが飛び込んできました。

会社の経営が破綻すると言うことは、まず従業員さんたちがそれまで働いていた職場をなくして路頭に迷ってしまう…

そうなると、生活面に大きな支障が生じる…

経営破綻は、取引先の顧客や会社に大きなダメージを与えてしまう…

それと同時に、国の内外の経済にも大きな打撃を与えてしまうので、ダメージはさらに拡大する…

そうなると、地方の工場で働いているアタシたち従業員さんたちのお給料にまで大きな影響が及ぶ…

この最近、アタシだけではなく周囲の従業員さんたちもひどくビンカンになっていた…

先のことを考えるともうお先真っ暗だと思う…

アタシは、この先どないしたらええねん…
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