【放浪恋愛】まりなの日記

【失って分かったひとの優しさ】

1月13日・晴れ

和歌山の住友金属の工場に再就職をしてから1週間が経過しました。

アタシは一生懸命になって働いているけど、入ってきて早々に生産ラインで失敗ばかりを繰り返していたので、従業員さんが利用するトイレなどの水回り清掃などのショムの仕事に回っていました。

昼休みに、アタシは給料引きの約束で注文したお弁当を持って、空いている席に座ってお弁当を食べていたけど、おいしいと思うものがおいしくないと感じていました。

そんなときに、アタシはどうして白鳥(香川県東かがわ市)で暮らしていたときに、笠置さんのご家族や地域の勤労青少年ホームの会員さんのみなさまにひどいことをしてしまったのだろうか…と思っていました。

アタシは、小さいときから両親が共稼ぎで家には不在だったので、家族団らんで過ごした思い出がなかった…

キンリンの地区や学校に友達がいなかった思い出があったから、笠置さんのご家族や地域の勤労青少年ホームの会員さんたちが優しくしてくださったのに、もめ事ばかりを繰り返していた…

不足していたら、補えばいい…

おつゆが冷めていたら、温め直せばいい…

注文した料理がまだ来ていないのであれば、キャンセルすればいい…

アタシは今でも『○○だったら、△△すればいい。』と言う言葉に激しい怒りを感じている…

あの時、アタシが笠置さんの家で暮らすのがイヤだった理由はたくさんあったと思う…

笠置さんの長女さんの婿さんが運転する車に乗り合わせて出勤している時、婿さんが勤労青少年ホームの会員さんのオノロケ話を自慢げに話していたことに怒りを感じていた…

笠置さんの長男さんと次女さんが大学や短大でキャンパスライフを送っているのに、アタシだけが大学に行けないことに強い不満を抱いていた…

笠置さんはアタシに『それだったら継続して同じ職場で働くことが仕事に必要な資格じゃないか…』と繰り返し言うだけだから話にならない…

笠置さんは、よく文芸雑誌『正論』(産経新聞社)を読んでいたので、笠置さんは『曽野綾子先生はな、こんなことを書いていたのだぞ…』となどと言うて、アタシにカビの生えた話ばかりをクドクドと話していた…

そう言ったことから、アタシは笠置さんの家族や地域の勤労青少年ホームの会員さんたちともめ事ばかりを繰り返していた…

特に、笠置さんの家族とのトラブルはヒンパンに起こっていたし、笠置さん本人とも怒鳴り合うことも少なくなかった…

しかし、勤労青少年ホームの会員さんたちはアタシのことを優しくして下さったと言うことに気がついた…

それなのに、どうしてアタシは勤労青少年ホームの会員さんたちともめ事を起こしてしまったのか…

新宮(愛媛県四国中央市)の馬立川の付近にある大きな公園にバス旅行に行った時、会員さんの保母さんにイカクをしたあげくに大ケガを負わせてしまったことは今でもアタシの心の中でわだかまっている…

あの時、アタシに『一緒にお弁当を食べませんか?』と優しく声をかけてくださった保母さんは、恋人さんがいないことと勤労青少年ホームの中に親しい友人がいなかったので、アタシと友達になりたかったのだと言うことに気がついた…

伊予三島の県病院(三島医療センター)から三本松の家に帰る時に、笠置さんの長女さんの婿さんがあおり運転をしていたのをみて、『婿さんはアタシを殺したいのね!!』と腹の中で想いながら怒っていた…

そして、帰宅するなり笠置さんの奧さんが『キンシンしていなさい!!』、笠置さんが『出てゆけ!!』とアタシに言うたけど、どっちにしたがえばいいのかわからなかったので、笠置さんに物を投げつけたあとボコボコにどついたった…

そして、再び家出をした…

今にして思えば、あの時笠置さんの家に居つづければアタシはダラクしていたと思います。

しかし、それと引き換えに大切なことを失ってしまった…と言うことを忘れてはならないことをしるして、筆を置く…
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