クリスマスの朝
雪音は小説家だ。今日はロシア人の恋人、ミハイル・ウラジスラフに会いに来ている。冬のロシアを案内してもらうのだ。

「ロシアでは、明日の七日がクリスマスなんだ。日本のクリスマスと違って新年をお祝いする意味が強いんだ」

「へえ〜、そうなの」

空港を出ると、寒い風が二人を包む。人々はみんな、分厚いコートを着てマフラーを巻きつけていた。

「さすがロシア!とっても寒い!!」

雪音がそう言うと、ミハイルの大きな手が雪音の小さな手をそっと握る。

「チオープルイー?(あったかい?)」

ミハイルは首を傾げ、訊ねる。その可愛さにキュンとしながら雪音は頷いた。

「ダー(はい)」

ミハイルから教えてもらったロシア語を話す。雪音がロシア語を話すと、ミハイルは嬉しそうに笑う。雪音がわからない言葉は、熱心に教えてくれるのだ。

雪音がミハイルと出会ったのは、彼が日本に旅行に来ていて、偶然雪音が道を訊かれた時だった。話していくうちに少しずつ仲良くなり、ミハイルが日本に遊びに来るたびに雪音は観光地を案内した。
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