無邪気な彼女の恋模様
築20年のボロアパートは、私が短大を卒業して就職が決まり一人暮らしを始めるときから住み始めた家だ。
まだ給料が低いので、あまり良いところには住めない。
かといってこのアパートが嫌だと思ったことはなかった。
多少の古さや不便さはあるけれど、全然問題なく暮らしてこれている。
郵便受けは一階の入口に集合して置いてあり、私は暗証番号をカチカチと合わせて中を覗いた。
相変わらずのダイレクトメールが入っているだけの寂しい郵便受けに、思わず苦笑いをする。
「百瀬さん。」
突然の声に、私はビクッと体を揺らした。
そろりと視線を送ると、そこにはまさかの水戸さんが立っていて、一気に酔いが覚める思いがした。
「こんなとこで会うなんて奇遇だね。」
「…そうですね。」
水戸さんはラフなジャージに首もとにタオルをかけている。
運動中だろうか。
「こんなところでどうしたんですか?」
「最近ウォーキングしてるんだよ。」
「あ、家この近くなんですか?」
「川の向こう側だよ。」
そう言って、水戸さんは遠くの方を指差す。
確かにそっち方面に川があった気がするけど、歩きでは意外と遠いと思うんだけど。
「川の向こう?結構歩くんですねぇ。」
「ダイエット中だからたくさん歩かないとね。百瀬さん、家ここなんだ?」
「あ、はい…。」
思わず答えてしまったけどまずかったかもしれない。
水戸さんは完全に私の住むアパートを見ている。
さすがに住んでいる場所を知られるのはいい気はしない。
でもよく考えれば緊急連絡網で私の電話番号を登録している時点で、家もバレていたのかも。
だって住所も書いてあるんだから。
まだ給料が低いので、あまり良いところには住めない。
かといってこのアパートが嫌だと思ったことはなかった。
多少の古さや不便さはあるけれど、全然問題なく暮らしてこれている。
郵便受けは一階の入口に集合して置いてあり、私は暗証番号をカチカチと合わせて中を覗いた。
相変わらずのダイレクトメールが入っているだけの寂しい郵便受けに、思わず苦笑いをする。
「百瀬さん。」
突然の声に、私はビクッと体を揺らした。
そろりと視線を送ると、そこにはまさかの水戸さんが立っていて、一気に酔いが覚める思いがした。
「こんなとこで会うなんて奇遇だね。」
「…そうですね。」
水戸さんはラフなジャージに首もとにタオルをかけている。
運動中だろうか。
「こんなところでどうしたんですか?」
「最近ウォーキングしてるんだよ。」
「あ、家この近くなんですか?」
「川の向こう側だよ。」
そう言って、水戸さんは遠くの方を指差す。
確かにそっち方面に川があった気がするけど、歩きでは意外と遠いと思うんだけど。
「川の向こう?結構歩くんですねぇ。」
「ダイエット中だからたくさん歩かないとね。百瀬さん、家ここなんだ?」
「あ、はい…。」
思わず答えてしまったけどまずかったかもしれない。
水戸さんは完全に私の住むアパートを見ている。
さすがに住んでいる場所を知られるのはいい気はしない。
でもよく考えれば緊急連絡網で私の電話番号を登録している時点で、家もバレていたのかも。
だって住所も書いてあるんだから。