桜が散る頃君はいない

何もわからなかった。

途方に暮れていた私に、もっと最悪な現実が晒される。

snsで現状を投稿してみた。

『なんか、すごく苦しくなって、体が鉛みた
に重いんです』

『それだけじゃ何が原因とか分からないよね。』

「なんでよ…。」

スマホを投げ捨てて、泣き崩れた。

もしも、この症状は病気だったら?

余命があったら?

"柊は…どう思う…?"

手でいくら抑えようと涙は出てくる…。

その時、気づいた。1番見たくないものを見た。

「なんで…?私の手に…花が咲いてるの?」

直ぐにリビングに行って、お母さんに伝えようとした。でも、足が止まってしまった。

これをお母さんに言ったらお母さんはどう思う?

悲しむよね。

暗い2階の廊下でまた、泣いてしまう。

そこから、記憶がなかった。

ただ、お母さんとお父さんの声が聞こえる。
< 5 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop