桜が散る頃君はいない

〜千花〜

お見通しって言いたいの?

ずるいよ…。

私たちの出会いは、眠りの森の美女のオーロラ姫と王子の出会いと似てたね。

偶然通りかかったあなたと出会って、お互いに惹かれあう。

「私は、ほんとにオーロラ姫になっちゃうよ?
必ず、迎えに来てね。」

そう言って、千花も眠った。

目覚めると、繋いでた手がなかった。

帰ったのかな?

って思って目を開けると、にこって笑った柊がいた。

「おはよ。」

「…おはようございます。」

「改まりすぎ笑笑」

そこから数分して、俺は帰ることにした。

「じゃあな。」

「うん…。」

寂しそうな顔。

そんな顔したらさ、俺帰れなくなるから。

「千花。」

「ん?」
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