クールな婚約者との恋愛攻防戦
「お父様、別荘には私の部屋もありますか?」

「ああ、勿論だよ。一週間のうちに、愛梨さんが暮らしやすいように家具なども揃えておくからね」

「わあ、素敵!」

「だから、勝手に話を進めるなって! 母さん達も何か言ってくれよ!」


しかし母達は、もう決まったことなら仕方ないとでもいうかのように、諦めムードで口を挟んでこない。
そして、当の本人である私が同棲賛成派な以上、樹君の味方につく人は誰もいなかった。


「じゃあ、詳細はまた後日、追って連絡します。
ーー食事の続きをしましょうか」

お父様のその発言に、樹君だけががっくり肩を落とした。
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