クールな婚約者との恋愛攻防戦
その後、長蛇の列にも並びつつ、ジェットコースターを三つ制覇した。


そうこうしていると、時刻が十八時半を回っていた。


閉園まではまだ時間はあるけれど、暗くなる前にそろそろ帰ろうかという話になる。




「最後に乗りたいものとかあるか?」


帰る前に樹君にそう聞かれた私は、



「観覧車」

と答えた。



ジェットコースターとは百八十度違った乗り物だったせいか、樹君は一瞬だけどきょとんとするも。


「じゃあ、それ行くか」


と答え、観覧車の方へと向かってくれる。




観覧車が大好き! という訳ではない。
ただ、少女漫画や恋愛ドラマの影響か、遊園地デートの最後は観覧車というイメージが私の中であった。


樹君はそもそもデートだなんて思ってないのだろうけれど、彼が何と言おうと、私にとって今日一日は未来の旦那様とのデートだったから。


それに……



〝妹みたい〟と言われたことがやっぱり心のどこかで引っ掛かっていた。
そして、それに対して自分がショックを受けていることにも気が付いた。



観覧車で、私のことを妹ではなく婚約者としてーーそして妻として見てほしいと思ったのだ。



実際に、何をどうやって観覧車でアピールするかはを頭の中で考えつつ、観覧車の列に並んだ。
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