俺様副社長は愛しの秘書を独占したい
「だから変な心配しないでほしい。ただ、俺のことを好きになってくれたらいいんだ。……それにたとえこの先、なにがあってもすべてのことから俺が全力で守るから。だから瑠璃ちゃんは、俺のそばにいてくれたらいい」

「副社長……」

 本当にいいのかな? 好きって気持ちだけを優先して、なにも考えずに彼のそばにいても。

 でも副社長を想う気持ちは、日を追うごとに大きくなっている。今さら消すことなど不可能な気がする。彼を信じて、素直に甘えてもいい?

 すがる思いで見つめると、やっぱり副社長は私の表情ひとつで気持ちを汲み取ってくれた。

「いいんだよ、なにも心配しないで。こうしてそばにいてほしい」

「副社長っ……!」

 たまらず自ら彼の胸に飛び込んだ。そんな私を抱き留めると、優しく背中や髪を撫でられる。

「やっと捕まえたんだ。……もう二度と離さないからな?」

「……はい」

 離さないでほしい。だって彼ほど好きになれる人とは、もう一生で出会えないと思うから。
 どれくらいの時間、お互いのぬくもりを感じるように抱き合っていただろうか。
< 132 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop