策士な課長と秘めてる彼女
だから一から十まで記憶は残っており、恥ずかしくていたたまれない。

日葵はシーツを巻き付けて、そそくさとベッドからおりようとした。

「逃がさないよ」

「やっ、」

「真っ赤になったウサギちゃんも可愛い」

益々、陽生は糖度を増している。

「遠慮はいらない。思う存分、俺を独占してくれ」

昨日の自分の言動を振り返って、益々日葵は赤くなる。

顔中にキスを落とす陽生は何かを吹っ切ったようだ。

こうなったら真面目なままの自分が馬鹿らしく思えてきた。

日葵は吹っ切れたように笑顔を浮かべ、

「陽生、おはよーのチュー」

と言って自分から攻撃を仕掛けるのだった。
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