クールなオオカミの過剰な溺愛



「……いった」


「ふざけないでよ!
人のこと弄んで楽しい!?

本当に最低!二度と話しかけてこないで!」


ショックでならない。
どうせなら、何も知らないままでいたかった。

ひどい、ひどすぎる。
どうしてこんな目に遭わなければならないのだ。


ジワリと目に涙が浮かぶ中、また何度も唇を擦る。
そうでもしないと心が落ち着きそうにない。


「あっ、千紗いた!
ごめん遅くなっ…」

「……凛花ごめん、トイレ行ってくる」
「えっ、千紗!?」


少し歩いたところでこちらに向かう凛花と会ったのだが、顔を合わせずにトイレへと駆け込んだ私。

とにかくひとりになりたかった。


「……はぁ」

涙をグッと堪えながらも、これからどうしていいのかわからずに混乱していた私。


こうしている間にも、今までの日常が大きく変わろうとしていた。

< 135 / 300 >

この作品をシェア

pagetop