太陽と月
「あ~すみません。2度目まして!」そう言うと卓也さんは


「何?椿ちゃん天然さん?」とゲラゲラ笑った。


そんなに笑わなくても・・・そう思っていると


「卓也さん!笑い過ぎ!も~はよ行こ!」と卓也さんの腕を取った。


あれ?何だか違和感を感じた。


美月の空気感が変った。いつもの明るくて楽しい空気感ではない。


それは・・・・


“嫉妬”とういう感情だと思った。


時にはその嫉妬が、他人をいとも簡単に傷つけるキッカケになる事を私は知っている。


そう・・・私が由貴に抱いた感情だった。


私が抱いた感情によって由貴ちゃんの人生はきっと変わった。


思い出したくない過去がどんどん心に広がる。


美月が私に向けた"嫉妬"が私の勘違いであって欲しいと思った。


美月はたった一人の私の"親友"だから。


そう思っているのに颯介の言葉が頭によぎる。


"美月ちゃんは本当の友達?"







ねぇ、美月・・・私は美月に本当に感謝しているよ。
過ごした時間は短かったけど、こんな私でも普通の女の子として
青春を謳歌出来た。


美月があの時、声をかけてくれなかったら私はずっと奈落の底で過していたから---------



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