太陽と月

「椿?行くの?一緒に行こうよ!」と陽介に声をかけられる。


陽介の横にいる雨宮さんが私をジッと見る。


その目は…まるで汚い何かを見る様な目だった。


「友達との約束だから!一人で行く!」それだけ言い陽介の返事を待たず、リビングから出た。


慌てて靴を履き玄関を飛び出す。


早足で学校に急いだけど、この時間だから人通りは少なかった。


学校に行くには早いと思い、BLUE SKYに行こうと行き先を変更する。


BLUESKYは朝の6時から夜の24時まで開いている。


この時間だし、卓也さんは居ないだろうなと思い店の扉を開けた。


店の中を見渡すと案の定、卓也さんは居なくてホッとする。


美月の知らないところで、お客もしてでも卓也に会うことは何だか気が退けるから。


お店の中はお客さんが少なく、居たとしてもスーツを着た人ばかりだった。


制服姿の自分がなんだか浮いている気がした。
そんな事気にしても仕方ないと思い


二人がけのテーブルに座る。


「すみません。冷たいミルクティーください」店員さんにそう注文をすると、


「私にはストレートティーを」と突如声が聞こえた。


声の持ち主は、


「雨宮さん…」
そこには微笑む雨宮さんが立っていた。
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