Trick or Treat!~お菓子くれなきゃ魔法でイタズラしちゃうぞ!~
黒髪に水色目の少年、神城 深冬が問いかけると、モニカは「……魔法の拒絶で召喚出来なかった」と深冬を見つめる。

黒髪に緑の目を持つ少女、若竹 氷翠はモニカに「でも、何で私たちを呼んだの?」と問いかけた。

「そっちの方が魔法祭を楽しめるから」

モニカは、氷翠の問いかけにニヤリと笑って答える。そんな笑いを見たルカは苦笑し、魔法祭の説明をした。

「魔法祭か……こっちでは、魔法体育祭の略として使われているね……何か面白そう」

その説明を聞いた深冬は、そう言って笑う。そして、皆は魔法祭に参加したいとルカたちに言った。

「分かった。とりあえず、魔法使いの仮装をしないと……チェンジ!」

ルカは、杖先を皆に向けて呪文を唱える。すると、皆は魔法使いのような格好をしていた。皆の手の中には、ルカたちが握っているステッキが握られている。

「皆、この世界の魔法は使えたよね?」

ルカが問いかけると、皆はうなずいた。何度もこの世界を行き来しているうちに自然と、モニカたちの世界の魔法も使えるようになったのだ。

「じゃあ、まずは俺が見本を見せるから皆は姿を消して俺に付いてきて。モニカとルイスは、別行動していいよ」

ルカの言葉に、モニカとルカはその場で呪文を唱えて消えていく。

「……分かった。ラディーレン!」

美影たちは、呪文を唱えて姿を消した。一瞬でルカの視界には美影たちの姿は映らなくなる。

「……さて、行こうか。プレカウツィオーネ」

ルカはそう言って、自分自身に美影たちの気配を察知できるように魔法をかけると、歩き始めた。
< 2 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop