大人の女に手を出さないで下さい
「リカちゃんほんとにそれでいいの?蒼士くんが他の女に取られるかもしれないのよお〜!」

悔しそうに言うトミちゃんに梨香子はあることを思い出した。

「あ…いるわ」

「え、何?」

「蒼士くんの彼女」

「え……………えええええええ〜〜〜っ!?」

3人の絶叫がこだました。
店内全員の注目を浴びて梨香子は肩を竦めた。

「どういうことよ!」

「前に会ったことあるのよね。前の職場の後輩だっていう子に。可愛らしい子で蒼士くんとすごくお似合いだったのよ。蒼士くんにはああいう子がいいと思うわ」

「何よそれ!それじゃ一緒にいたっていうだけじゃない!」

「そうだけど、彼女の方は蒼士くんのこと好きそうだったし。恋人になるのは時間の問題だと思うけど。あ、もう付き合ってるかも?」

「そ、そんなわけないじゃない!」

「ママってば!それでいいの!?蒼士くんともう会えないの?」

「英梨紗…」

涙目の英梨紗にさすがに梨香子も言葉を噤んだ。
娘としては蒼士の存在は複雑じゃないかと思うのだが、英梨紗は蒼士を気に入っている。

「あたし、ママと蒼士くんが結婚してもいいと思ってるんだよ?ママだって蒼士くんの事ほんとは好きでしょ?」

「英梨紗…それは答えに困るわね…」

心底困った梨香子に3人は一様にため息を着いた。

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