大人の女に手を出さないで下さい
「…梨香子さんの悩みは俺が全部解消するって言っただろ?まだ俺のこと信用できない?」

「…そんなんじゃ、ない…」

瞼をぱちぱちと瞬きさせて頬を赤くした梨香子は目を逸らす。
つい言ってしまって、責めたいんじゃないのに!と蒼士は頭をくしゃくしゃと掻き回した。

「違う、ごめん。責めたいんじゃないんだ。ただ…」

「…ただ?」

「はあ~…、可愛いなと思って…」

「かわ…!?…」

ため息交じりにとんでもないことを言う蒼士に梨香子は唖然とした。

「可愛いよ、梨香子さんは可愛い。今すぐ全部食べちゃいたいくらいだ」

ぐいっと迫ってくる蒼士の色気に当てられそうになり梨香子はつい身を引いてしまう。

「ちょ…ちょっと蒼士くん」

押し返そうとする梨香子の手を取り蒼士は自分の胸に当てた。

「ほら、俺は梨香子さんといるとこんなにドキドキしてるんだ。梨香子さんが愛しくてたまらない。そんな梨香子さんを嫌うことなんて絶対無いから…だから…」

「そ…蒼士くん…」

ドクドクと早い速度の鼓動、頬も薄ら赤い蒼士を見つめ梨香子も胸が高鳴る。

「全部俺に預けて。梨香子さんの不安は思い過ごしだって俺が証明してみせるから」

「あ…」

力強く引き寄せられ抗うことなく唇が重なった。
濃厚なキスはすぐさま二人の間に甘い空気をもたらす。
執拗に舌を絡めその甘さに梨香子も夢中になった。蒼士の首に腕を巻き付け角度を変えてはお互いの唇を貪った。

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