大人の女に手を出さないで下さい
「そりゃ覚えてるよ。会う度遊んでくれた大好きなお兄ちゃんだったからさ!」
琢真はちょっと興奮気味に英梨紗に語る。
「凄いんだぜ、たかいたかいがめちゃくちゃ高くってさ、飛行機してくれたり木登りを教えてくれたり、淳史兄さんと他では出来ない遊びをいっぱいしてくれて、いつも会うのが楽しみでさ」
「へえ」
高揚した琢真を英梨紗はキラキラした目で見つめている。
ほんとに好きなんだなと、二人を見てほのぼのと思う。
しかしだ、
「それより琢真、英梨紗ちゃんから話は聞いてるな?」
今日は懐かしい再会に喜んでる場合じゃない。
英梨紗の騒動の件で当事者の琢真と話し合いをするのだ。
梨香子は一足早く家で待ってるはず。
一変して重苦しい空気になり琢真は強張った。
何か言おうと口を開きかけたとき車はマンションに着いた。
神妙になった3人は黙ったまま家の前まで辿り着き、先に蒼士が中に入っていく。
「あ、おかえりなさい蒼士くん。お迎えありがとう」
「いや。ほら、二人とも」
後ろで躊躇していた二人を促しリビングに入る。
出迎えた梨香子は普段と変わりなく優しく微笑んでいた。
「おかえり英梨紗。君がたっくんね」
琢真の顔をマジマジ見てあらやだイケメン、と、つい口走ると横から蒼士につつかれた。
琢真は緊張した面持ちで梨香子を見据える。
「英梨紗…英梨紗さんとお付き合いしてます相良琢真といいます。あの…すいませんでした!」
勢い良く頭を下げた琢真にみんなは目を丸くする。
「俺…英梨紗が一人で悩んでたなんて全然知らなくて、その…病院まで行ったなんて、ほんとにご迷惑をおかけしました!」
「うん、まず顔を上げようか琢真くん」