大人の女に手を出さないで下さい
「それより、体調は?大丈夫?」

「え?ああ、全然大丈夫よ」

心配顔の蒼士にヘラヘラ笑うと蒼士も安心したようだ。

「じゃあいい時間だしもうこのまま部屋に戻ろう」

「ラウンジに戻らなくて大丈夫?」

「もうみんな散々酔っ払ってるからわからないよ」

行こう、と強引に梨香子を連れ出す蒼士にこの後の展開が予想出来る。
部屋に戻った途端に抱きしめられ性急にキスをされて梨香子の身体も熱くなった。
でも…

「蒼士くん…お風呂に入りたい」

「じゃあ一緒に入ろう」

「だめ、女は色々大変なんだから」

「…わかったよ」

「なるべく早く終わらせるから」

素直に開放してくれた蒼士の頭をよしよしと無で梨香子はバスルームに入って行った。
歩き回って結構汗もかいているから洗い流したい。せっかくの熱い夜を台無しにしたくないと梨香子は念入りに身体を洗った。

入れ替わりで蒼士がバスルームに入ると梨香子はベッドに腰掛けた。
いよいよ今夜蒼士と…そう思うとドキドキと胸が高鳴る。
どうなってしまうのか少し怖い気もするけど今朝の反応で感じる事ができてるとわかってホッとした。
意外に今朝のは予行練習になったのかもしれない。
梨香子は高鳴る心臓を落ち着けるように深呼吸して目を閉じた。


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