大人の女に手を出さないで下さい
「はあ…やっぱり三雲オーナーって素敵」
ひとしきり笑って梨香子はため息を零す。
きっと敏明は梨香子の機嫌を悪くさせたまま帰す訳にはいかないとデートと称してドライブにに行きあのカフェに連れてってくれたのだろう。
あんな気遣いできる人はそういないと思う。
お陰で梨香子の一時の不満は何処かへ消えてしまった。
キスを期待した自分に呆れるけど軽いハグでも嬉しかった。
ふふっと自然と笑みが零れる梨香子は申し訳なくも有り難くてホワッとした暖かい余韻に暫く浸っていた。
そこへメールの着信音に気付いて慌てて家路についた。
メールはさておき、気付けば午前0時過ぎ。
今日は英梨紗一人お留守番させてるのに思いのほか遅くなってしまった。
「ただいま〜…あ、寝てるのね」
梨香子と違っていつも早起きの英梨紗は規則正しい生活習慣が身についてる。
英梨紗の部屋を覗き寝顔を見て梨香子はホッとした。
改めてメールを見れば蒼士からで、今日会った彼女のことはほんとにただの後輩で付き合ってなんてないし何もないからという言い訳と父と会ってたのはなぜなのか?と遠慮がちに聞いてきた。
いつもならそんな言い訳いりませんと冷たくあしらうところだけど、敏明のお陰で梨香子は機嫌のいいまま返信した。