女40歳、お嫁にもらってもらいます!
22
私はどうやって家に帰って来たんだろう。

主任を見送った後、私はラインを確認したが晃太朗からの連絡は何もなかった。

居てもたってもいられなくなって、私はオフィスを後にしていた。

「晃太朗…、あなたの言葉が聞きたい。」

私は手の中のスマホの画面をじっと見つめる。

-会って話がしたいの。-

そんな思いを抱きながら、私が送ったラインはあまりにもシンプルだった。

いや、それしか思いつかなかったといった方が正直な気持ちだ。

その後、ぼんやりと私は今までの事を頭の中でたどっていた。

-ここで私を抱くなら、結婚してもらうわよ。-

西田にも言われたけれど、どうしてあの追い詰められた状況でこんな言葉を晃太朗に投げかけたんだろう。

それまで、晃太朗の事を一人の男性として意識した事がなかったはずなのに。

晃太朗に身体を奪われてしまう事に恐れをなして、脅しとして放った言葉のはずだった。

< 162 / 225 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop